1-5.はじめての戦闘

さだめのシグナル / 1-5.はじめての戦闘

Article Written: 2007/03/25 14:39:00

ローズ さっき腕相撲した人を連れて行こう。
ハニー 仲間になるためとはいえ、展開に無理があるなぁ(苦笑)。
GM まあ、ロードス島戦記IIIリプレイよりはだいぶマシかと…
ハニー ともあれ、酒場の中に向かって「化け物が出たってよー」。手伝ってくれる人もいるでしょ。
GM (それ男の口調だろ。もういいけど)「何、バケモンだって! うわあー」というわけで、酒場の中に居た人間は散り散りに逃げ出していく。
ハニー 「おいこら待てオッサン!」
GM 彼らは冒険者レベルのないNPCだから無理無理。だからさっき「君たち以外にテュアリストはいない」と言っておいたわけだ。
ランス 「まったく情けない奴らだな。……おや、一人残っている?」
GM なるほど。それがアイオスというわけね。まあそれはともかく、さっきまでは町の中心部だけが騒ぎの元だったわけだけど、もう一箇所増えるんだ。それはこの酒場。ある人間がうるさく騒ぎ始めるわけだ。
ランス 
GM 「待て〜、宿代と食事代を払えー!」と酒場の親父。
ハニー しまった、その手があったか(笑)。「みんな、化け物退治よっ!」と言って、みんなを連れて外に出る(笑)。
ランス 「見ててくれオヤジさん。化け物は俺たちが倒してみせよう!」と言ってさりげなーく宿代を踏み倒す!
GM 「こら〜! お前らも待てーっ!」
アイオス 走って逃げる。
ローズ (ため息)あーあ、最初から悪い奴らになってしまった。
GM まったくだ、正義のテュアリストの名が泣くよ。もちろん親父は使用人を派遣して追いかけることにするからね。
アイオス どこに行くにしろ、私は逃げて道に迷ってしまうんだろうな。
GM そういえば「方向音痴」の特異点を持っていたんだっけ。ちなみに、例の化け物と戦う意志のある人ない人をしっかり確認しておくよ。
アイオス 戦う意志はあるんだけど、たどり着けない(笑)。
ハニー 実は戦う意志はないんだけど、宿代を踏み倒すためにそっち側に逃げてしまっている(笑)。
GM じゃあアイオス、君はどっちの方角に行ってしまっているか、2Dを振って判定してちょ。

 再び判定です。アイオスは自分の技能を強くするために、マイナス特異点である「方向音痴」を取っています。これ持ちのキャラは独りで移動する歳には判定を課して正しい方向、あるいは行きたい場所へ行けるかをチェックします。

アイオス 10.
GM ではアイオスは、運良く怪物のいる方へと逃げてしまった。結局みんなこっち側かな。では君達全員の前方に化け物の姿が見え始める。例の「銀の怪物」だ。
ランス 店の追っ手のほうはどうなった?
GM 客は色々な方向に逃げていったからね。どうやらこっちには来ていないようだ。
ランス あー良かった。……で、その化け物は近づいてくるの?
GM うん。他の人間が逃げ出したところで、君たちだけが近づいているような状態だからね。現在の先頭はローズだけど、大体距離は15メートルくらいかな。セージチェック(モンスター知識判定)できる人はやってちょうだいな。平目振りも可能だよ。ただ、そういった技能無しの平目は達成値にマイナス4の修正を受けます。
アイオス ≪雑学Lv1≫を持っている。……18。
GM (マイナス1失敗か)じゃあ、この怪物は、「シルバーパペット」と呼ばれるものだ、ということだけ分かる。
ローズ 何にしろ私はとっこんで行く。
ハニー え、銀で出来ているの?
GM どうだろうね。いまのところ銀色に輝いている妖しげな化け物ということくらいだけ。……えーと、先頭にいるローズは、敵の数が4匹であることを知る。
ランス 4匹も?
GM (ランスに)おまえのロードス島戦記RPGのマスタリングなんて12匹も出してきたくせに、たかだが4匹で嫌そうな顔をするんじゃない。で、ローズはそれを知ってどうするかな。距離も十分だし、逃げない限りは戦闘第1ラウンドに入るよ。
ローズ どうしようか。いきなり手を差し伸べて握手を求めてみるとか…
GM それじゃ4匹の化け物が攻撃するのでそれぞれの回避ロールを振ってくれということになるけどいいのかい?
ローズ な、なーんて通用する相手じゃないしっ(汗)。
ランス 現在、こちら3人(ランス、ハニー、アイオス)はちょっと後方で話している。
ローズ どうやらUFOから降りてきた宇宙人というわけではなさそうね〜
GM よし、1ラウンド目開始だ。
ランス えー始まったの!?
GM 話している連中がいたり、先頭はUFO云々と悠長に観察してるわけだから仕方あるまい。
ランス 始まってしまったものは仕方が無いな、とりあえず敏捷度6を活かして、無謀に突っ込んでいった女をだな、
アイオス 助けようと。
ランス 男として、ってやつだな。そういうわけだから同じ敏捷度6(アイオスも6)同士の二人で助太刀に入るよ。
GM おわっと敏捷6か。1ターン(12秒)中に24メートル動けるってことは、銀人形の集中攻撃ができないじゃないか。それじゃこのターンはプレ戦闘フェーズという扱いにして、まずローズは1回敵を攻撃できて、変わりに一匹だけ敵の攻撃を受けることになる。その後でちゃんとした戦闘ターンに入るけど、いまのうちにフォーメーションを決めておいてね。ちなみにハニーは戦闘はどうする?
ハニー お金の予感がするわっ(笑)! 金になる匂いのする戦い大好き。
ランス T字でいいだろ、前3人で精霊使いのハニーだけ後列。
GM それでいいのね。んじゃまずローズの攻撃からどうぞ。
ローズ えーと、どうするんだっけ?
GM まずは攻撃が当たるかどうかの判定から。≪攻撃基準値≫に3D6を足すんだ。
ローズ 21。これは当たったな。
GM 当たった。じゃあダメージを決めて。今度は≪総合打撃力≫+2D6だ。
ローズ えーと、29。
GM 29発か。えーとじゃあ、銀人形Cは何点かのダメージを受けた。結構なダメージのように見えるけど、実際はそんなでもないよ。じゃあ今度はこちら銀人形Cの攻撃の番だ。ローズは≪回避基準値≫+3D6を振って。
ローズ 17………ギリギリでかわした? 良かった。
GM よし、それじゃ正規の戦闘ラウンドに入ろうか。まずは各人イニシアティブロールを振ってもらおうか。

 というわけで、本格的な戦闘の開始となります。
 開始にあたってまずは行動順を決めます。これが≪イニシアティブロール≫です。
 戦闘に参加するキャラは各ターン(あるいは戦闘開始時)の始めに≪敏捷度+1D6≫を振り、これが高いキャラから先に攻撃していきます。
 最新のルールでは、この値が高いと1ターンに複数回の行動フェーズが生まれるのですが、この時はルール調整中につき簡易ルールを採択していたので、1ターンの各キャラの行動回数は1回だけでした。

アイオス では一番手。ローズと接敵していた銀人形Cに攻撃いきます、22。
GM 高いなあ。こっちは15、当たってるよ。
ローズ なんか余裕って感じじゃーん。
アイオス ダメージはCに40発。
GM うげ、Cの体にかなりの亀裂が入った(残り生命点2)。やっぱりバスタードソードで打撃受けると効くなあ。
ランス では、バッソよりも強いトライデントの威力を思い知るがいい。私の攻撃対象は銀人形D。えいやっ……18。
GM 残念。こっちは20だったので回避されましたとさ。では次の方。
ハニー 私の番ね〜、さっそく魔法を使うわ。さりげなーく≪スネア≫。消費はどうなるんだっけ。
GM 基本精神消費量は12。レベルで割るので実際の消費量は3ということになるね。ではまず呪文の強度(達成値)を振ってもらおう。≪魔法レベル+知性度≫=≪魔法基準値≫の値に3D6を足してね。

ハニー 18。
GM おおっと14の目が出てしまった。合計19なので≪スネア≫は抵抗されて効果なし。
ランス このGMはダイスの目がやたら良いから困る。……次はローズさんの番かな。
ローズ ボロボロになっているらしいCに攻撃!……あ、かわされた〜
GM それでは反撃開始といくぞ。銀人形たちはどうせ量産型だし、同じタイミングでA〜Dそれぞれの攻撃といくよ。
 Aの攻撃はスカ、Bもスカ。Cは……アイオスに命中、Dはスカ。それじゃアイオスには28発のダメージをプレゼント。
ハニー でもその前に28発防いでない?
GM え……?(アイオスのキャラクターシートを確認。基本防御値が30で、それに2D6を足すような指定が)
ランス パペットゴーレム弱し。
GM くそやろ〜、5レベルファイター許すまじ。
ローズ なんだダメージも与えられないのか。
GM くーっ。次のターンからダメージ期待値は使わない事にするよ。

 敵もプレイヤー同様のステータスを持ち、ダメージは≪打撃力+2D6≫で算出できるわけですが、処理を楽にするために2D6=8と換算して固定するダメージ期待値というものを使う事があります。
 しかし今起きたように、銀人形のダメージ期待値が28に対して、アイオスの防御が≪30+2D6≫で、基本だけでダメージが止まってしまいました。レベルの差によってはこういう現象も起きてしまうのでした。
 現行ルールではこの場合、ミニマムダメージ(0.5〜1ダメージ)を与える事になっていますが、当時はこのルールもありませんでしたとさ。

GM 4匹殴って成果ゼロか、情けない銀人形たちめ。それじゃ2ラウンド目。
アイオス トップは私だね。Aに攻撃しよう……当たって、39発。
GM うおーいてー。相当なダメージを受けた上に、転倒判定にも失敗して銀人形Aはすっ転んだ。
ランス あー、一度に大ダメージが入るとそういう判定があるんだったか。
GM そういうこと。次はランスの番だよ。
ランス Dに攻撃がヒットした。37発。
ハニー 次は私ね。≪サモンウィスプ≫を唱え、Bにぶつけます。
GM ウィスプの基本消費量は24だから消費は6ね。まずは魔法強度ロールを。
ハニー 22。
GM それは抵抗できない。で、ダメージだけど、攻撃と似たようなロールで決定します。≪魔法技能レベルx2≫+≪知性度≫+10(魔法の固有ダメージ値)+2D6。
ハニー 24+2Dかぁ。……お、目が11ってことはクリティカル! 物理魔法ダメージ39発。

 基本的に3D6のロールにおいて16以上、2D6のロールにおける11以上の目を出した時はクリティカルという扱いになります。
 この場合1D6を追加で振ってもらい、先の達成値に加算するわけですが、この1Dが6になった場合、さらに連続クリティカルという扱いで1D6の振り足しが可能になります。

GM 物理魔法ダメージ39は圧倒的だな。もとより魔法抵抗力があるわけもない銀人形Bは一瞬のうちに破壊されてしまいました。こんな感じじゃ君達は負けるわけがなさそうだね。
ハニー ふふん、ざまーみさらせ。

 とにかく弱い銀人形たち。結局数ターンのうちに、プレイヤー側に1ダメージも与えることなく全部破壊されてしまいました。
 まあ、最初の戦闘ということでいい準備運動になったという感じでしょうか。


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