Article: こんなAVGがありました
いままでに市場に出た、日本製のアドベンチャーゲームは、コンシューマ・パソコンを合わせると2000本以上はあるでしょう。その中からいくつかピックアップして紹介していきます。聞いたことのない名前もあるでしょうけれど、「へぇ、こんなAVGがあったんだ」と思ってください。なお、ここで述べるAVGとは、AVGから派生した「恋愛シミュレーション」や「サウンドノベル」なども含む広義のものと思ってください。 Article Written: 98/1/17 |
水晶の龍:★ スクウェアがファミコンでははじめて出したAVG。水増ししたようなボリュームに中途半端で不可解な(やや言い過ぎ)ストーリーは納得できませんでした。でも、このソフトで初めてAVGというジャンルを知った人もいたはずです。余談ですが、スクウェアのAVGといえば「WILL」っしょ、やっぱ。 |
サラダの国のトマト姫:★★★ 主人公は隣国のキュウリ王子として、幽閉されたトマト姫を助けに行くという冒険モノ。ステージ別に分かれていた、当時では珍しいAVG。コマンド入力(手打ちです)式で、かなり進めるのが辛かったのですが、プレイヤーを飽きさせないように登場人物・舞台・環境をぽこぽこ換えていく展開はなかなかでした。見所はやっぱ「ダイコーン」ですね(笑)。ファミコンはコマンド選択式になってフヌケになりましたが、やっぱりこのゲームは入力式であるところが面白さの一つでした。弁当屋さんをにはおべっかを使いましょう(笑)。 |
ミステリーハウス:★★ 日本のアドベンチャーゲームの元祖とも言える、館侵入→脱出モノ。コマンド入力式で、英語しか受け付けなかったので、中高生には辛かったとか。ストーリー性はなし。確か3作まで出たような気がします。最終販売権は確かマイクロキャビンが持っていたような。 |
コロニーオデッセイ:★★★ PC6601の付属ソフトであった、スペオペAVG。当時にしては珍しく、冒険を楽しむことそのものにウェイトが置かれていました。ゲームオーバーが多くて難易度は相当高かったです。ちなみにアラレちゃんが魔法使いとして友情出演していたりします。 |
第4のユニット:★★★ デジタルコミック系もAVGの範疇に入れています。ブロンウィンが懐かしいですね~。このソフトの続きをやりたいがためにFMタウンズを買った人は数知れず。余談ですが、HP「瑠璃姫の館」さんでは、「第4のユニット復活委員会」なるものがあるそうです。がんばってくださいね~>KenSanほか、会員の方々 |
ポートピア連続殺人事件:★★ エニックスの最初のヒット作ともいえる、堀井雄二プロデュースの探偵モノ。探偵モノAVGを確立した意義は大きい。中盤、かなり中だるみしてしまったものの、一時のユーザを虜にしました。3回同じ場所をクリックしないといけないなんてなかなかヒドいと酷評がありましたが、「サラダの国のトマト姫」の最終章に比べれば……(笑)。 |
オホーツクに消ゆ:★★★★ ポートピアに続く、堀井雄二プロデュース第2弾。前作に比べてストーリー、ボリューム、謎かけ、ともにクラスアップしました。鷹月も一時、これにやみつきになりました。PCxxユーザの特権ゲームとも言われてました。後にファミコンにも出ましたが、アレはダメダメです。このソフトは、ただの探偵モノにとどまらず、観光追体験というもう一つの楽しみ方を提供してもくれました。「霧の摩周湖」は場所としても、パスワードとしても有名です。 |
デッドゾーン:★★★★★★ ディスクシステムの初期~中期の間にサンソフトのリリースした、近未来系脱出モノ。各階に手の混んだリドルがあり、それを解くのがひたすら楽しかった。後半はコンピューターとプレイヤーの知恵比べ的な要素が、セリフの少ないゲームにある種のストーリー性を生み出してくれました。ファミコン時代のAVGとして、「消えた後継者」と並ぶ最高峰の地位を誇っていました。……と書いたところ、「メタルスレイダーグローリーはどうした!」とご指摘を受けました。すんません、あれほとんどやってません(汗)。 |
デゼニランド:★★★ ディズニーランドのパロディとしてかなり有名な、冒険探索型AVG。途中で手に入るアイテムを手に入れなかったり、取り忘れたりすると、ある時点で迷宮入り(クリア絶対不可能)になってしまうという、鬼畜的な難易度を誇っていました(ゲームオーバーになるならいいんです。ならないために、進めない先を目指して、必死にいろいろもがくことになるのですよ……)。あ、ショッピングではウキワを忘れずに(笑)。 |
新・鬼ケ島:★★★★★ ステージ攻略型の、昔話系AVGとして、当時大ヒットした作品。ストーリーの演出およびリドルの難易度などは、コマンド選択式ながら見事な出来でした。鷹月もとにかくハマりましたね。結構ヒーローものの要素があったのが良かったと思っています。ドロの船に乗りましょう。でも、すなおに信用しちゃだめだよ(笑)。 |
不思議の国のアリス:★ ミステリーハウス以前に、グラフィックの全くないAVGとして「テキストAVG」というものがあったんですが、その一つです。文字情報だけを頼りにコマンド入力を続けていきました。原作通りの舞台を細密に再現できていたのですが、当時小学生という鷹月に、高校レベル以上の英単語を入れろというのは、それこそ無理な要求でした(^^;<つまり解けなかった |
リップスティックADV:★ 美少女AVG指向の先駆けとなった、フェアリーテールの作品。当時ながら異常にボリュームがあったのは良かったんですが、間延びする展開ははっきり言ってつまらなかったです。一般モノと比べるなという話もありますが、テンポ、キレともにオホーツクに数段劣りました。音美ちゃんだって1はほとんど登場してこなかったし。……って、今ごろ続編出るんですって? |
ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者:★★★★★★ ディスクシステムで発売された伝奇系探偵モノ。緩急の付けたストーリーテンポ・練り込まれたシナリオ・伏線に加えて印象的な音楽などなど、すべてが「完璧」レベルの出来でした。途中ややフラグ立てに面倒になる部分がありましたが、夜トイレに行くのが怖くなりました(笑)。「デッドゾーン」と並ぶ、FC-AVGの最高傑作。 |
弟切草:★★★★ AVGの大家とも言えるエニックスの、中村光一氏プロデュースによる新スタイルAVG「サウンドノベル」の第1作品。文字を読ませつつ、効果的な音を鳴らすという演出の仕方は、以降のゲームに様々な影響を与えました。……でも、この1作目はインパクトだけで、ゲーム的には対したことなかったような。 |
かまいたちの夜:★★★★★ マルチシナリオ性を導入したサウンドノベル第2弾。隠しシナリオや、特定のシナリオを終わらせないと出てこない選択肢など、斬新なシステムがユーザを引き付けました。ただ鷹月の評価としては、「選択肢によって、キャラの人格がどんどん変わっていくので、一本のストーリーとしては失格かな」と低めだったりして。とゆーか、鷹月はストーリー主導の作品を期待してたんですよね、この第2作目って。 |
デリンジャー:★★★ エロのためのAVGとして「形になった」と思えた最初の作品。絵やシチュエーションはかなりえっちぽかったですねー。でも、前後脈略のない展開がどうにも納得できませんでした(詳しくは書きませんが……)。それでもストーリーの分岐はあるし、マルチエンディングだったりと結構頑張っていました。てなわけで評価は高め。 |
スナッチャー:★★★★ これも外すわけにはいきませんね、古き良き時代(笑)のコナミの、近未来モノAVGです。小島作品と言ってもいいです。濃厚な設定とシビアなストーリー、最後まで絶妙に隠した伏線などなどがとにかく光っていました。でも、終盤の聞き流しモードはなんだかなぁ。未消化の伏線もあるし……。これに関しては「SDスナッチャー」というRPGで補完されているのですが、このRPG、極端に知名度低いんですよね……。 |
JBハロルドシリーズ:★★★ ハードボイルドな探偵モノ。常に映画を意識した作りに、大人のユーザに支持されてきました。主人公そのもののストーリーへの関わり具合が弱かったという印象がありますが、やっぱり渋い作品でした。やっぱりフォア・ローゼスは大人の味がします(笑)。 |
同級生シリーズ:★★★★★ AVGにフィールド移動やパラメータという考え方を導入し、恋愛モノなる新しいスタイルの美少女ソフトを築き上げた最初の作品。このソフトで美少女ソフトの世界にハマった、という人が回りには数知れず(笑)。 |
コズミック・サイコ:★★★★★★ 91年に発売された、タイムスリップもの美少女AVG。ストーリーの完成度は当時としては桁外れに高かった。鷹月が初めて泣いたゲームでもあり、また鷹月を美少女ソフトの世界に深く引きずり込んだ作品(笑)。この評価は当時のインパクトによるもので、今のユーザがプレイしたら3つ星かも。でも音楽は素晴らしい……。 なんか、この2号館で事ある毎にこのソフト名が登場してきますね(笑)。 |
雫:★★★★★★ 現代を包む、一つの病理をテーマに組み上げた美少女ソフト。システムは完全にサウンドノベルのパクリだったんですが、後にビジュアルノベルというジャンルを別に築くにいたりました。ストーリーの作品性、テキストのレベルの高さは、文学的に読み解く価値もあると言われるほど。 |
痕:★★★★★★ リーフのビジュアルノベル第2弾。鷹月の中のランキングで、現在1500を超えるAVGの頂点に君臨させているソフトがこれです。伝奇・恋愛・SFというバラバラな題材をすべて取りいれつつ、見事な物語を作り上げています。大ブレイクを起こし、全国に多数のリーフファンを作り出しました。……とはいえシステム的に見れば、少し捻った程度で、さして真新しい訳じゃないんですけどね。 |
また、AVGはそれのみならず、他のジャンルと複合させた「変わり種」もそこそこ存在しています。ここではその一部を紹介します。
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イリウム:★★★ 前半がAVG、後半がRPGという面白い展開をもつ、オレンジハウスのリリースした美少女ソフト。でも後半がだるくて、いっそのこと前編AVGの方が……と思ってしまいました(^^; |
クレオパトラの秘宝:★★★ スクウェアの出したAVGなのですが、場所移動や、特定のイベントでRPGばりのコマンド戦闘がしばしば起きます。謎解きだけやって、レベル上げをしてないと、すぐに死んじゃうのです。しかも、ちょっと奥に入るだけで、敵が致命的に強くなるし(汗)。あ、でも雰囲気はとっても好きでしたよ。難しかったし。 |
Only You:★★★★★ 恋愛モノと思いきや、主人公は世界の存亡に関わる存在で、主人公を消そうと世界から暗殺者が送り込まれ……と、とにかくスゲェ設定が混じっていて、ばりばりにRPGっぽく仕立てあがっています。どんなゲームかは、文字では語れない……(笑)。 |
わくわく麻雀ぱにっく!:★★★★ エクセレンツの製作した、AVG付きの麻雀ソフト。麻雀としてもAVGとしても及第点の出来です。このタイプは結構美少女ソフト系ではメジャーなんですが、シナリオがしっかり組まれているのはプレイした中ではこれと、「麻雀幻想曲」ぐらいですかねー。 |
電撃ナース:★★★★ AVG+カードバトル。美少女ソフト版の特撮モノと言えば分かるでしょうか。とにかくキレまくったゲームです。2まで出ていますので、一度はやりましょう。 |
コンシューマ出身の方はあまり知らないかと思いますが、このように沢山のAVGが世に出ています。AVGを作ろうと思っているのなら、まずこういった作品をプレイしてみるのもいいかと思います。 - 鷹月ぐみな |