Article:ファンタジーSLGのTips
Article Written: 98/5/21 |
1、マス配置の種類
A、4方向マス:タイプ1
B、4方向マス:タイプ2
C、ヘクスマップ
D、フリーマップ(アンチ・マスマップ)
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2、ファンタジーSLGにおける確率の処理
とはいえ、たまにクリティカルヒットがあったり、奇跡的回避を行なわせると、「ラッキー」などと思うのがユーザとしての反応です。つまりユーザー側は、
攻撃→絶対命中、クリティカルの可能性あり
こう無意識的に望んでいるわけですが、真面目に考えるとひどく身勝手なものですね。
こちらの打撃力をAとしますと、与えるダメージが A/2 ~ Aの任意の値(ランダム決定)、 鷹月の制作しているSLG・RPGの類は、基本的にこの式を用いています。シミュレートしてみますと、かなりいい具合のバラつきが得られるはずです。
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3、ユニットの相性
また、地形に対応して強い・弱いが設定されるものもあります。砂漠地帯の大アリクイ(モンスター)、浅瀬地帯のクロコナイト(ラングリッサーで登場してくるユニットです)がその例にあがるでしょうか。
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4、ヒットポイント調整
戦闘にリアル・スリル性を持たせるなら、どちらかというと低めの方が宜しいでしょうか。ただしこの場合、ユニットがやられる可能性は強くなるわけですから、ステージクリア時の経験値ボーナスを参加ユニット全体に与えるといった措置をしておかないと、ユーザにその場でリセット(やり直し)されてしまうことになります。 |
5、自軍ユニットの撃破
A、消滅型戦闘不能ところで、主人公のHPがゼロになった場合は、大抵どのゲームにおいてもゲームオーバーとなります。しかも主人公はCOMの思考ルーチンにより、他のキャラよりも狙われるようになっているため、おもわず前線から引いてしまいます。結果としてあまりレベルが上がらず苦労する……というパターンがよくあるようです。そのため、主人公ユニットは防御力をやや高めに設定してあげるといいらしいです。 |
6、クラスチェンジ
ストーリーを優先したいのでしたら、物語内で王から爵位を貰うなどしてクラスチェンジする、などといった正当性を持たせるべきでしょう。鷹月もこちら側を推奨しています。 |
7、反撃に関する考察
まず、当然ながら弱い直接攻撃型ユニットが下手に攻撃をするのは危険極まりなく、結果として遠隔ユニットの重要性が増す事になります。もちろん得てして遠隔ユニットは鎧が薄く、直接攻撃系ユニットをその前方に立たせ《楯》型の戦術をとることになります。 |
8、経験値に関する考察
ここまでは良いのですが、うっかり成長しそびれたキャラがいますと(シャン・グリ・ラ2など)、以後の敵はさらに強くなっていくため、もう倒しようが無くなります。あと1ポイントまでHPをなんとか削り、トドメだけ刺しにいくという涙ぐましい努力をした人もいるのではないでしょうか。
ところでこのミッションクリア時に入る経験値の事は通例、ボーナス経験値と呼ばれていますが、ゲームによってはこれらに変動条件を付けている例があります。
さて、「敵から得られる経験値」に関しての話に戻します。
A=(敵レベル-自分レベル+1)とおいた時、(Aが0以下の場合は0か1として扱う) このような単純な式を使い、経験値を出しているようです。HPがステージを進むにしたがってどんどん上がるタイプは、経験値Exp=与えたダメージ、としている所もあります(しかしこれは、レベルを上げそびれたキャラには致命的な式になります)。 なお、経験値が100になるとレベルが上がる、というシステムを用いるものは上式とは別に、「100割り」という概念を用いて処理しています。次の表を見てください。
こちらより4レベル高い敵を攻撃し、ヒットしたときは100点の経験値(必ずレベルアップ)、3レベル差の場合は50点……といった具合になります。撃退した場合は攻撃時より2段スライドさせているのが分かると思います。先の式とは違って、ダメージ量は問わないのが特徴です。 |
戦術SLGの構築は、ゲーム製作の中でもかなり困難です。こういった資料が少しでも参考になれば幸いです。なお、コンピュータの移動アルゴリズム部に関するTipsは別の項にて紹介しています。
- 鷹月ぐみな |