鷹月ぐみなのマジック覚書

鷹月ぐみなのマジック覚書

 不定期に更新していきます。

2006/10/11 - 誰がスリヴァーを推進しているのか

 「時のらせん」で一つ好きになれなかったのは、スリヴァーが多すぎるということです。コモンで10種、アンコモン4種、レア4種で合計18種類も増えた。その結果、パックを開けると出てくるわ出てくるわ。スリヴァーデッキを組めと言わんばかりですが、このデッキは他のカードとの組み合わせの多彩さに乏しく画一的なものになりやすい。おまけにどれ見ても同じ容姿をしており背景もわけのわからんものが多く、カードとして見ていて魅力に欠けています。こんな沢山新型を増産しなくても、過去の再録で充分だったんじゃないかなとか。まあ、Muscle SliverとCrystalline Sliverはオーバーパワーだった感があり、この2枚を再録するのは無理だったのは分かりますが…

有力カードその2
 引き続き、時のらせんの有力カードを紹介していきます。

Clockspinning(U Instant):Common
バイバック(3)
対象のパーマネントか待機状態のカードの、カウンターを選ぶ。そのカウンターを1つ増やすか、あるいは減らす。

 コモンなんですが、正直これが「時のらせん」におけるもっとも魅惑的なカードだと思っています。従来、多様なカウンターを直接操作できるカードは限られていた上にレアリティもアンコモン以上でしたが(Power Conduit等)、この使いやすさでコモンは物凄い。

(1) 自分の+1/+1カウンター系クリーチャーは強化、相手の+1/+1カウンター系クリーチャーは弱体化
(2) 自分の待機カードのプレイを早め、相手の待機カードのプレイを遅くする

 まあ、このへんはいいとして、

(3) 消散カウンターを補充する
 パララクスの波、パララクスの潮流で取り除いた効果を維持
(4) 累積アップキープの経年カウンターを取り除く
 Glaciam Chasmも長く維持できるように
(5) コンボ狙い。
 Celestial Convergenceのカウンターをさっと取り除いて勝利
 Chance Encounterにカウンターをさっと乗っけて勝利
 Pursuit of Knowledgeにカウンターを乗っけて7ドロー

 などなど。夢が広がりますね(*゚ー゚)


2006/10/9 - タイムスパイラルで復活したのはカードだけじゃない

 第4版(1995年)のころにはもうマジックにハマっていた私でしたが、
 社会人になってから、MTGをする相手も機会も減り、いまは惰性でカードを買うだけになっています。勿論そういう状態ですから購入量もがくんと減りました。
 また、私は神河ブロックが気に入りませんでした。カードの能力とかは置いておいて、世界観がどうにもまがい物くさく感じられたのです。日本を欧米ファンタジーに織り込むのって無理があったんじゃないかなあと。Kawade氏には悪いですが。
 そんな神河が落ちるのと入れ替えで、「時のらせん」ブロックの登場です。神河が落ちたことを喜んだだけでなく、純粋にその内容にも狂喜しました。
 FlankingとかBuyback、Echo、Kicker、Madnessなど、私のお気に入りのメカニズムが帰ってきたからです。常々、使ってて楽しいメカニズムは標準化されるべきだと思っていました。ここ最近でずいぶんへんてこりんなメカニズムも増えてきまして、新鮮なものを提供する態度は良いのですが、直感的に楽しくないものもありまして。二段攻撃とかストームとか復活とかですね。割と今回は、好評だったメカニズムを中心に蘇った感じでして、良い時代のマジックが2年間また使えるのだと思うと、冷めかけていたMTG熱が少なからず回復したのでした。
 今後、少なくともこの「時のらせん」ブロックがスタンダード落ちするまでの間は、情報を積極的に拾うなり考察などもしていきたいと思っています。

 なお、鷹月ぐみなは英語版専門のMTGユーザです。その関係でカード名は英語表記が主流となり、日本語の併記はあまり行いませんが、ご了承ください。

タイムスパイラルの有力カード
 時のらせんにおける個人的注目カードを何枚か挙げておきます。

Curse of the Cabal(9B Sorcery):Rare
 対象のプレイヤーは自分のコントロールするパーマネントを半分生贄に捧げる(端数切捨て)。
 待機2 - 2BB
 各プレイヤーのアップキープの開始時にこれが待機状態であるとき、任意のプレイヤーは自分のコントロールするパーマネントを生贄に捧げることができる。もしそうした場合、この上に時間カウンターを2個乗せる。

 これは凄い。素で撃つ事はまず無いとしても待機が強力。効果が一方的かつ半端じゃないので、それを避けようと思えば2ターンに1個ずつ自分のパーマネントを生贄に捧げていくことになる。物がソーサリーだけに、一度通ってしまったら基本的にはカウンターで弾くしか除去しようがないわけで。このカードがあることを考えると、白デッキならPull from Eternityは対抗手段として仕込んでおきたくなってしまいますねえ。
 いくつかのゲームの世界では、呪文というのに詠唱ラグが掛かる事も多く、そういったメカニズムの実装とも言えます。

 まあ実際のところ、後半になると不要な1/1クリーチャーや土地がサクリ要員になるのでプレッシャーも弱めに。前半から中盤にかけて詠唱したい呪文ですね。

Sudden Death(1BB Instant):Uncommon
刹那
対象のクリーチャーはターン終了時まで-4/-4の修正を受ける。

 これは凄い除去カードの登場。タフネス4までの多くのクリーチャーが瞬殺ときました。カウンターもパンプアップも軽減も効かない。色拘束があるとはいえ、ラヴニカの安定除去Last Gasp(1Bで-3/-3修正)の圧倒的上位にあたるカードと言ってよいですね。
 まあ、元から黒にはTerrorにNekrataal、多色だと化膿などがあり除去は豊富なわけですが、カウンターされないのはやはり大きい。貿易風ライダーやサイカトグやら犬やら大気の精霊やらセンギアの吸血魔やら、挙句の果てにはまたたくスピリットまで問答無用で除去ってのは間違いなく強力。
 このカードを想定すると、プロト黒やアンタッチャブルクリーチャーの出番が増えそうですね。コールドスナップのKarplusan Strider/カープルーザンの徘徊者とかも相対的に地位が上がりそうです。







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