Article: ゲームスタンス一覧


 人によって好きなジャンルがバラバラ違うのは、ゲームに対するスタンス(姿勢)がそれぞれ違うからです。ここでは、鷹月が友人知人に調査をして得られたスタンスを分類し、まとめてみました。ゲームデザインの中ではかなりユニークな記事だと思います。これを参考にゲームをデザインしてみれば、より多くの人がプレイしたがるような作品になるかもしれません。

 なお、以下のスタンスは一人が1つだけ持っているわけではなく、その中の複数個持っているはずです。試しに自分はどうなのか、照合してみてください。

Article Written: 98/5/18




1、常に指を動かすのは苦手です
     慣れや反射神経といった問題もありますが、「落ち着いてゲームに望みたい」という人もいます。また、鷹月のように、人より握力が弱く(30以下〜)、20分も格闘モノをすると、手が痺れてくる人もいます。こういう方々は、一瞬の判断が命取り、というタイプのゲームはプレイしたがりません。また、一般的に女性はあまり得意ではないとされています(好きな人は予想より多いのですが)。
     格闘モノや凶悪クラスのアクションシューティングが除外対象になります。但し、指を一時でも止めていられるアクションやシューティングは買わないというだけで、プレイに抵抗はないことが多いです。

    このように考えている人が好きなジャンル..>AVG、RPG系



2、一日に1時間の息抜きのために
     会社勤めの人は当然ながら忙しく、休日を除けば、帰って来てゲームをするのは一時間程度、という方がいます。彼らは、「セーブがない」「クリアに数十時間は必ずかかる」「1ステージに1時間以上かかるSLG」「時間を空けるとなんだかわからなくなる」ゲームは嫌います。
     もちろん、こういう人たちを販売対象から除外すると考えるのではなく、うまく工夫して、なんとか取り込むことを考えるべきです。たとえば、「いつ初めても、現在の主人公のディレクションが確認できるようにする」などです。RPGにおける「相談システム」がそれにあたります。

    このように考えている人が好きなジャンル..>PZL、短編AVG系



3、自分を惹きつけて欲しい
     自分からそのゲームの楽しみを模索する、というのではなく、作り手側からこちらに継続意欲を常に与えつづけてもらいたがる、受け身的なスタンスの人たちがいます。言ってみれば、狙ってくるソフトというやつで、キャラ萌えな方はこの度合いが強いようです。
     彼らを取り込むためには、ゲームにアニメーションや音声などの演出に凝る必要がありますが、作り手としては彼らに受動から能動への誘導をしてあげるのも面白いかもしれません。キャラで惹き付けて、リドル系を解かせたりなどです。

    このように考えている人が好きなジャンル..>恋愛モノ、アダルト系



4、ストーリーが良ければいい
     ゲームのシステムにはあまりこだわらず、自分が「プレイしてためになった」という価値を見つけられる、ストーリー主導型の作品を望んでいる人たちがいます。ある程度のボリュームがあり、感動させてくれれば、値段は安くなくてもが喜んで払います、という凄い方たちです。
     彼らを取り込むには言わずもがな、シナリオの質をあげればいいわけですが、かといってシステムをおざなりにしてゲームバランスがメチャクチャなものは、シナリオがいくら良かろうが感動しないものになってしまい、彼らにも受け入れてもらえなくなります。

    このように考えている人が好きなジャンル..>AVG



5、俺は暇つぶしに(余暇として)プレイしてます
     広義にて「面白ければなんでもいい」と考えている人の半数以上が、なんだかんだでこのスタンスを持っています。ゲームすることに楽しみには持っているのですが、特定のポリシーは抱いていません。彼らは注目ソフト・有名会社の新作ばかりに手を出す人たちで、取り込むのは実はかなり難しいようです。

    このように考えている人が好きなジャンル..>特に限定してません



6、レベルの高いゲームがしたい
     今までに色々なゲームをやり込み、それ以上のものを常に求めている人がいます。彼らはジャンルにはこだわりませんが、システムやゲームの完成度、統一性のこだわりは凄まじいです。ただ、ストーリーは割と淡白に受け止める傾向性があります。

    このように考えている人が好きなジャンル..>SLG、シューティング系



7、友人とのコミュニケーションの一部としたい
     ゲームが「みんなで楽しみを共有するためのもの」と考えている人たちです。彼らは対戦ゲームに好んで手を出します。また、ネットユーザでしたら、ネットワークゲームを好んでいます。

    このように考えている人が好きなジャンル..>パーティーゲーム、対戦、ネットゲーム



8、自分だけのゲームを楽しみたい
     いろんな意味で作品にどっぷり漬っていたい、と考える人です。彼らはいろんなゲームをしゃぶりつくようにプレイします。ゲームに多様性があり、ボリュームが長いものを好みます。

    このように考えている人が好きなジャンル..>育成、マルチエンディング系、RPG



9、派手な、そして斬新なソフトをプレイしたい
     「おぉ〜」と唸るような、これまで見かけなかったシステム・ゲーム性を持ったものをプレイしたがる人もいます。ただ、実際の所、見てくれのポリゴンに騙される人もいるようです。

    このように考えている人が好きなジャンル..>ポリゴンアクション系



10、好みの絵〜、好みの声優さん〜
     個人的な意見はともかく、ゲームシステム・内容をまったく無視して、これで買ってしまう人もかなりいます。これ以上はノーコメントにしておきます。

    このように考えている人が好きなジャンル..>キャラゲー



11、マルチストーリー・エンディングは嫌いです
     小説やマンガの方に基準を置き、「作品とは本来、1本道のストーリーであるべき」と考える人がいます。並列的なエンディングがあると、自分の中で「どれが本当のストーリーなんだろう」と混乱してしまうようです。なんでもマルチにすると、見せかけのボリュームが倍増するという事に気付いているゲームデザイナーさんもいるようですが、こういう人もいるという事を知っておくと良いでしょう。

    このように考えている人が好きなジャンル..>一本道AVG、RPG系



12、コストパフォーマンスで判断します
     ゲームジャンルにはこだわりませんが、ソフトをプレイして「その金額分楽しめたか」どうかでゲームを判断している人です。これで腐っていると判断した場合、以後その会社のソフトは手を出さなくなります。基本的に値段を下げると、彼らの評価を受けやすくなります。

    このように考えている人が好きなジャンル..>ジャンルにはこだわりません



13、スリル・サスペンス、背徳と疑似体験
     非現実な世界を覗いてみたい、体験してみたいと考える人たちです。彼らはある程度リアルであり、好みのシチュエーションを持っていれば、ゲーム性にこだわらず手をだしています。そんな彼らを取り込もうと、ピカレスク的・バイオレンス的なゲームが増えてきましたが、これは未成年はプレイすべきではないでしょう。

    このように考えている人が好きなジャンル..>スプラッタ・ホラー・鬼畜系



14、話のネタ、もしくは友人に貸す
     買ってしまったものがバカゲーだった、というのはともかく、自らバカゲー、クソゲーと分かって地雷を踏む人たちもいます。彼らはゲームにとにかく強く惹きつけられるものがありさえすれば、もしくは「地雷臭い」と感じれば手を出してしまいます。彼らのお陰で、未熟なソフトハウスがなんとか生き延びているワケですが……。
     とはいえ、彼らも「ゲームとして未完成」なものには手を出していません。ゲームとして成立していることを前提に、前衛的(なんじゃこりゃ〜)・極後衛的(今ごろこんなん出すか〜)なものを好むようです。

    このように考えている人が好きなジャンル..>バカゲー、クソゲー


 他にもスタンスはあるでしょうけれど、とりあえず調査した分だけ掲載しました。ちなみに鷹月が好きなジャンルはAVGと正統派RPG、戦術系SLGです。

- 鷹月ぐみな


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Written by. gumina(鷹月 ぐみな)